ワタシはブラウスのボタンをひとつはずして、右脇へと視線を落とした。
脇から少し前にずれた場所に大きなホクロがひとつある。

ワタシはこの大きなホクロがあまり好きではなくて、衣装もこれが隠れるようなものばかりを選んでもらってきた。
だから、ファンのみんなはワタシの右脇ホクロの存在は知られていない。
AI生成されたヌード写真にも、もちろんそのホクロはなかった。

これを見せることで本当に事態は収束してくれるだろうか?
ゴクリと喉を鳴らして唾を飲み込む。
『水着じゃないとダメですか? このホクロが見えるような服じゃダメですか?』

声が震えた。
夏服を着るのは構わない。
ミニスカートだって大丈夫。