事務所側は嫁業後の活動についてなにも動いていなかったワタシのためにちゃんと仕事を用意してくれていたのだ。

『正直ここでやめちゃうのもったいないなぁと思ってたから、準備しててよかったよ』
そう言って渡された仕事はギャル系雑誌のモデルだった。
今よりも見た目を派手になるけれど、ワタシならこっちの路線でも行けるだろう思ってくれていたらしい。

その話を聞いてワタシは心底安堵した。
ワタシにはワタシの居場所が、まだここにあるんだ。

『ありがとうございます』
ワタシは手渡された雑誌を両手で抱きしめて、再び深く頭を下げたのだった。

☆☆☆

高校に入学すると同時にギャル系雑誌のモデルの仕事が始まった。