学校では勉強も運動も不得意で、なんのとりえもないワタシが唯一生まれ持ってきたこの見た目を、今こそ使うべきなのかもしれないと思った。

モデルをやってみてもいいかもしれない。
この日家に帰るまでにワタシの心は完全に決まっていたのだった。

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中学時代のモデルの仕事は同年代へ向けたファッション雑誌が主な活動だった。

人気モデルたちはテレビに出たりイベントに参加したりしているけれど、ワタシはいつも紙面の端っこに少し載っているだけであまり目立つ存在ではなかった。

それでも芸能人なんてひとりもいない学校内では十分目立つ存在になった。