退院した翌日、僕は10ヶ月振りとなる高校の制服を着ていた。
久しぶりに学校に行ける事が楽しみで鼻歌を自然にしてしまうぐらいワクワクしている。
朝ごはんを済まし、登校していると見覚えのある3人組を見つけた為、嬉しさのあまり3人を後ろから抱きしめてしまっていた。
「おはよー!久しぶり!!」
「ひゃっ!」
「うおっ!」
「どわぁあ」
いきなりだったからか、びっくりした3人はそれぞれ違った悲鳴を出す。僕はその様子が楽しくてククッと笑いが出てしまう。
「あっ!たー君か!退院出来たんやね!おめでとう!」
「えへへ、理音達に会えるの楽しみだったよ!」
「ていうか、たー君がこの時間に登校してるのめちゃくちゃ珍しいね!もしかして、入院してから勉強もついにやる気出たとか?!」
「ありえるかも!」
「そんなわけない!やる気出すなら別のことにやる気出すもん!」
と、ドヤりながら僕はそんなことを言った。
ちなみに、最初に悲鳴出したやつは 神里理音(かみさと りおん)で俺の幼馴染だ。ちなみに理音は料理好きだが絶望的な味音痴の為、何人犠牲を出した事か……ちなみに僕もその犠牲者の1人である。
他2人は、陸斗(りくと)と蒼太(そうた)で僕の相談によく乗ってくれる良き理解者だ。
「ところで、さっきから何を1人で言ってんの?地味に傷つくこと言ってたような……」
「んぇ!?口に出てた?」
「うん、味音痴とか……」
「えっと~……なんの事言ってるか僕、わかんない!」
「あっ!とぼけたし!」