おじさんに「俺の家に来れば？」と達矢が話し掛けた。
達矢におじさんが「良いのか？俺、もしかしたらお世話を掛けるだろうし、お節介するかも知れない」と遠慮しがちになって居た。
達矢が「良いんだよ。おじさんが良かったらだけど」とおじさんに話し掛けた。
おじさんが「サンキュー。俺は俺を必要としてくれる奴が居て嬉しいよ」と達矢にお礼を言った。
達矢が「此処が俺の家。どうぞ上がってくれ」と大きな瓦の家が立って居た。
そこへ晴が来て「この人誰？」とおじさんに指を差した。
達矢が「晴。お前、人に指を差すなってあれほど言ってんだろう？」と晴に注意をした。
晴が「はーい。分かりました」と達矢に返事を返した。
達矢が「全く、世話の掛かる奴が2人も居るなんてどうしようもないな」とやれやれと言った様子で見て居た。
おじさんが「やぁ？晴ちゃん。おじさんは娘も一人暮らしを始めてから本当に1人で居るから晴ちゃんの事を娘のように思うよ」と晴に話し掛けた。
晴が「ふーん。私の事を娘の様にね？そんな事をあなたに言われる筋合い無いし、あなたお節介よ」とおじさんに反抗的な態度を取った。
おじさんは「やっぱり俺は此処では居場所が無いみたいだね？残念だけど出て行くよ」と話をして達矢の家を出て行った。
おじさんは達矢の家から自分のアパートへと戻って行った。
達矢が「晴。そんな事をおじさんに言う事はないじゃ無いか？八つ当たりだぞ」とおじさんの肩を持った。
晴が「そんな事をお兄ちゃんに言われる筋合い無いもん。お兄ちゃん何か嫌いだ」とはっきりと達矢に伝えて腹を立てた。
達矢は「全くどいつもこいつもどうしようもない奴だな」と心の中で納得が行かなかった。
次の日に謙吾に達矢が「な？話を聞いてくれよ」と引き留めた。
謙吾が「何だ？話しって」と達矢に顔を向けた。
達矢が「それが例のおじさんが居ただろう？娘も一人暮らしで奥さんは若い頃に病死したんだって話を聞いて俺の家に呼んだら、晴は「嫌だね？お節介だ」っておじさんを責める様な事を言い始めたんだ」と謙吾に話をした。
謙吾は「そうだな？人には人の事情ってものがあるから、人の家庭に首を突っ込んだら色々とおじさんを責める様な事を言われるに決まってるじゃ無いか」と達矢に声を掛けた。
達矢が「確かにそうだよな」と謙吾の話に一喜一憂して居た。
謙吾は「まぁ、おじさんはおじさんで元気にやって居るから良いんじゃ無いか？」と達矢に笑顔で話をした。
そうしておじさんの姿を今後見る事は無かった。