ちゅうじんが地球を出てから2カ月が経ち、4月上旬。ちゅうじんが居なくなろうが普段とやることはそう変わらず、残業明けでへとへとになって帰路に着く。
「あいつらと来たら、毎度毎度問題起こしやがって……。処理するこっちの身にもなれってんだ」
俺は案の定、同僚の王子と夜宵、ついでにオタク全開で依頼者を困らせたジュリアへの愚痴を垂れながら、家の鍵を開けて中に入る。
が、当然のことながらちゅうじんは居ないので、部屋は真っ暗。電気をつけて自分の部屋に鞄を下ろして部屋着に着替える。春先でまだ寒いので、上からパーカーを羽織ってリビングへ移動。
手洗いうがいなどの諸々を済ませ、晩酌の準備を整える。
今日は上にも下にも斜めにも住民がいる。大家さんは相変わらずの平常運転。だが、恵美さんと秋葉の出した冊子が売れに売れたことで、甘野さんは連日旅館に泊まりっきり。今日はやっと休暇がとれたとのことで、下から晩御飯の良い匂いが漂ってくる。
一方の恵美さんは、冊子が売れたことにより昇給。今頃、大好物のお酒を食らっていることだろう。かくいう俺も缶ビールを開けて、一気に飲み始める。
「はー、美味いっ!」
試しにテレビをつけてみるが、これと言って面白い番組はない。仕方ないので、適当にUFO特集の番組でも見るか。
……あれからちゅうじんのやつ元気にやってるかな。ま、あいつのことだからあっちでも自由にやってるんだろうけど。
テレビに映し出された写真には、円盤状の4つのUFOがひし形の形を保ちながら飛行していた。俺はその写真をボーっと見つつ、スマホを弄る。
と、ここで放送されていたUFO特集番組が報道番組に切り替わった。不思議に思いながら、まじまじとテレビ画面を見ていると、東京の方に向けてミサイルが発射されたとの情報が入って来た。
そういや、去年のこの時期も同じようにミサイルが飛んできてたな。けど、俺の所属する観文省の本部はここ京都。今頃宮内庁職員は大変だろうけど、俺には関係ないしな……。
そう思いつつ、SNSでみんなの反応を見ていくこと数分。
再び速報が入ってきたので、スマホからテレビへ視線を移す。と、アナウンサーが喋り始めた。
『えー、今入って来た情報によりますと、東京に向かって発射されたミサイルは日本海側で何かとぶつかったことにより、急に進路を変え、そのまま排他的経済水域の外に落ちた模様との模様です。繰り返します――』
「おい、待て……」
まさかと思い、辺りを警戒する。だが、何かが迫ってくるような気配は感じない。
流石に杞憂だったか……。
そう思った瞬間、轟音が外から聞こえてきた。
「え、ちょっ! 嘘だろ……!」
咄嗟にリビングから出て、自分の部屋にあった刀を持って玄関から飛び出る。瞬間、ガシャーンッ! と自分の家の窓ガラスの割れる音が響いた。
音が止んでから少ししたタイミングで、俺は恐る恐る家の中に入っていく。ひとまずブレイカーが落ちていたので、オンにして廊下に出る。
と、リビングの方に行くにつれて窓ガラスが散乱していた。俺は怪我をしないよう慎重に進んで、リビングへと入る。すると、巨大なUFOがリビングに突っ込んでいた。
「こ、これって……」
俺が目の前の惨状に思わずそう呟くと、UFOの中から宇宙服を纏った何かが出てきた。
ソイツは宇宙服のヘルメットを収納すると、光線銃を手に笑顔でこう言ってきた。
「えへっ☆ また来ちゃった☆」
「ホントどいつもこいつも……いい加減にしやがれぇぇええ‼」
戻って来たちゅうじんに対して、俺は腹の底から怒鳴り声を上げるのだった。
「あいつらと来たら、毎度毎度問題起こしやがって……。処理するこっちの身にもなれってんだ」
俺は案の定、同僚の王子と夜宵、ついでにオタク全開で依頼者を困らせたジュリアへの愚痴を垂れながら、家の鍵を開けて中に入る。
が、当然のことながらちゅうじんは居ないので、部屋は真っ暗。電気をつけて自分の部屋に鞄を下ろして部屋着に着替える。春先でまだ寒いので、上からパーカーを羽織ってリビングへ移動。
手洗いうがいなどの諸々を済ませ、晩酌の準備を整える。
今日は上にも下にも斜めにも住民がいる。大家さんは相変わらずの平常運転。だが、恵美さんと秋葉の出した冊子が売れに売れたことで、甘野さんは連日旅館に泊まりっきり。今日はやっと休暇がとれたとのことで、下から晩御飯の良い匂いが漂ってくる。
一方の恵美さんは、冊子が売れたことにより昇給。今頃、大好物のお酒を食らっていることだろう。かくいう俺も缶ビールを開けて、一気に飲み始める。
「はー、美味いっ!」
試しにテレビをつけてみるが、これと言って面白い番組はない。仕方ないので、適当にUFO特集の番組でも見るか。
……あれからちゅうじんのやつ元気にやってるかな。ま、あいつのことだからあっちでも自由にやってるんだろうけど。
テレビに映し出された写真には、円盤状の4つのUFOがひし形の形を保ちながら飛行していた。俺はその写真をボーっと見つつ、スマホを弄る。
と、ここで放送されていたUFO特集番組が報道番組に切り替わった。不思議に思いながら、まじまじとテレビ画面を見ていると、東京の方に向けてミサイルが発射されたとの情報が入って来た。
そういや、去年のこの時期も同じようにミサイルが飛んできてたな。けど、俺の所属する観文省の本部はここ京都。今頃宮内庁職員は大変だろうけど、俺には関係ないしな……。
そう思いつつ、SNSでみんなの反応を見ていくこと数分。
再び速報が入ってきたので、スマホからテレビへ視線を移す。と、アナウンサーが喋り始めた。
『えー、今入って来た情報によりますと、東京に向かって発射されたミサイルは日本海側で何かとぶつかったことにより、急に進路を変え、そのまま排他的経済水域の外に落ちた模様との模様です。繰り返します――』
「おい、待て……」
まさかと思い、辺りを警戒する。だが、何かが迫ってくるような気配は感じない。
流石に杞憂だったか……。
そう思った瞬間、轟音が外から聞こえてきた。
「え、ちょっ! 嘘だろ……!」
咄嗟にリビングから出て、自分の部屋にあった刀を持って玄関から飛び出る。瞬間、ガシャーンッ! と自分の家の窓ガラスの割れる音が響いた。
音が止んでから少ししたタイミングで、俺は恐る恐る家の中に入っていく。ひとまずブレイカーが落ちていたので、オンにして廊下に出る。
と、リビングの方に行くにつれて窓ガラスが散乱していた。俺は怪我をしないよう慎重に進んで、リビングへと入る。すると、巨大なUFOがリビングに突っ込んでいた。
「こ、これって……」
俺が目の前の惨状に思わずそう呟くと、UFOの中から宇宙服を纏った何かが出てきた。
ソイツは宇宙服のヘルメットを収納すると、光線銃を手に笑顔でこう言ってきた。
「えへっ☆ また来ちゃった☆」
「ホントどいつもこいつも……いい加減にしやがれぇぇええ‼」
戻って来たちゅうじんに対して、俺は腹の底から怒鳴り声を上げるのだった。
