刀を振りかぶると、天邪鬼は錫杖でガード。距離を取って斜め、横へ斬撃を入れるが見事に弾かれる。天邪鬼は足を振り上げ、俺の肩を潰しにきた。そうはいくかと寸前で刀を滑らせて阻止。
そのまま弾き返してやれば、天邪鬼は後ろへ飛んだ。瓦を蹴って距離を縮め、がら空きとなった懐へ刺突を繰り出す。
が、ギリギリのところで刀身を掴まれ、天邪鬼の手から血が垂れた。……流石は鬼。躊躇なく素手で阻止するとは。
と、刀身を持った手でぐいっと手前に引かれ、体勢を崩す。しかし、転ぶ寸前で踏み止まり。即座に切り返して首を狙いにかかる。と、腕でガード。
埒が明かないので、一旦距離を取りつつ。川と川の間を走る遊歩道へ視線を向ける。
すると、鬼の群れを鋼同然の桜の花弁で吹っ飛ばしている秋葉がいた。俺は髪を1つに纏め上げ、紺袴と紅の着物に身を包んだ彼女へ念話を飛ばす。
『秋葉。ここは良いから、お前は海希にこのことを伝えろ。加えて四条大橋周辺と先斗町全域に結界貼って、旅館で待機していてくれ。万が一があっては困るからな』
『了解です。後は頼みましたよ』
指示を終えたところで、再度天邪鬼と交戦。
「オラ、そこ退きやがれ!」
途中、秋葉が屋瓦を思いっきり蹴って、その場から離脱。迫りくる5体鬼に向けて刀で斬っていった。
『な、なんか秋葉の性格が変わったぞ』
少し離れたところで、鬼の胴体を素手で貫き、思いっきり血を被ったちゅうじんから念話が飛んでくる。
『あいつの祓式は創作キャラの憑依だからな。キャラの口調が映ってんだよ』
俺は天邪鬼の錫杖をへし折りつつ返答する。錫杖を失った天邪鬼へ向けて、刀を下から上へ振り上げるも、身体を逸らされ回避された。
負けじと天邪鬼の首、両肩、両膝へ向けて5連撃。うち3連撃を交わされるも、天邪鬼の左肩と右膝を貫いた。
「流石は幾度も妨害してくれただけはありますね」
「そりゃどうも……!」
大きく踏み込み、祟核目掛けて突きを入れる。だが、そう簡単にやらせてもらえるはずもなく、天邪鬼は肩を庇いながら身体を横に逸らした。
と、上から十数本の錫杖が降って来る。瞬時に避けるも、錫杖の切っ先が右肩に掠った。血が滲むも、すぐに祓力で止血。
「今度はボクが相手だ!」
選手交代。離れたとこで戦っていたちゅうじんが天邪鬼に向けてビームを放つ。天邪鬼は錫杖を手元に出現させ、手前で回転させて弾こうとするが、貫かれてビームが頬に掠る。
「嘘でしょう⁉」
「そんなへなちょこ武器で防げると思うなよ!」
「これはまた厄介なよそ者ですね……!」
逃げにかかる天邪鬼を再度光線銃で追撃しつつ、ちゅうじんは横から攻撃してくる手下の鬼を、対祟魔用に改良済みのライトセーバーで祓っていく。
その様子を横目で見ながら、寄ってたかってくる手下の鬼たちを回転斬りでねじ伏せる。血でまみれた刀を振り払い、金棒を振り回してきた鬼へ横一線に斬撃をかます。
消滅したのを捉え、次なる鬼を祓うため屋根を走っていたら、薙刀や刀、斧など多種多様の武器を持った鬼たちが正面からジュリアに襲い掛かる。
だが、そんな彼らの攻撃を矛1本で受け止めたジュリアは祓力で足を強化。
足元の瓦を粉砕しつつ、弾き返すと同時に1回転。直後、一瞬のうちに出現した無数の矛に貫かれた鬼たちは纏めて靄となって消滅した。
と、ここでジュリアから念話が入る。
『手下の数が多すぎて、なかなか天邪鬼まで攻撃を仕掛けられないんですが、どうしましょう?』
祓力を纏った拳を屋根に叩きつけて周囲の敵を吹き飛ばすジュリア。
おいおい、あんまり瓦壊すなよ。後が大変なんだから……。
ジュリアの脳筋さに頬を引き攣らせつつ、天邪鬼との戦闘を夜宵に託したちゅうじんと互いの背後の敵を刀とライトセーバーで貫く。
『やっぱり、ここは一気に纏めてぶっ倒すしかないだろ』
『うーさんの言う通り、その方が手っ取り早い』
ちゅうじんの案に屋根から飛んで、細道へ降りた王子が賛同する。
ちゅうじんは光線銃を空高く放り投げ、ライトセーバー片手に金棒を持った鬼と交戦。激しい剣戟を繰り出した末、落ちてきた光線銃でトドメを刺した。
一方、俺は屋根から屋根へ飛び移る。すると、地上に降りた王子が、先斗町通の狭い細道を駆け抜けながら、飛び降りてくる無数の鬼を苦無とアサルトライフルで仕留めていくのが見えた。
『けど、具体的にどうする?』
夜宵が念話越しに投げかけると、一同黙り込んだ。
大勢の鬼を纏めて祓う方法な……。
祓力を纏わせた太刀で鬼の胴体に差して引き抜く。消滅していく鬼を見届け、俺は何かないかと周囲に視線を移す。
すると、夜宵が鴨川沿いの屋根から一気に対岸まで飛ぶのが見えた。直後、後ろから迫って来た天邪鬼が十数本の錫杖を夜宵目掛けて飛ばしてくる。
だが、夜宵は臆することなく、歩道のある河川敷に着地すると、鎌を回転させ、錫杖を弾き飛ばす。錫杖が周囲の地面に落ちる中、天邪鬼も同様に地面に降り立った。
天邪鬼と夜宵の様子を横目で眺めていたら、頭上からひと際大きな鬼が斧を振りかぶって来た。咄嗟に刀身で受け止める。
こいつなかなか強いな……。
そのままずるずると屋根の淵まで押されるが、ギリギリのところで踏ん張る。チラッと後ろを見やれば、凍結した鴨川が視界に入った。
このまま落ちれば間違いなく凍死する。それだけはごめんだ。
窮地に陥った俺は祓力で腕と手を最大限に強化。斧をいなして身体を横にズラすと、巨体を持った鬼は体勢を崩し、すぐ下の凍った禊川へと転落。鬼は表面の氷を割り、浅い川底へ頭をぶつけた。
俺はその隙に、屋根に刺さったままの錫杖に祓力を通し、転落した鬼の祟核へ向けて投げる。と、狙い通りに巨体の鬼へ突き刺さった。俺は消滅をしながらみんなに向けて念話を飛ばす。
『みんな、ちょっと良いか?』
『お、どうした?』
『手下の鬼どもを纏めて一網打尽にする案を思いついた』
俺は話を切り出すと、作戦の内容を念話で伝えるのだった。
そのまま弾き返してやれば、天邪鬼は後ろへ飛んだ。瓦を蹴って距離を縮め、がら空きとなった懐へ刺突を繰り出す。
が、ギリギリのところで刀身を掴まれ、天邪鬼の手から血が垂れた。……流石は鬼。躊躇なく素手で阻止するとは。
と、刀身を持った手でぐいっと手前に引かれ、体勢を崩す。しかし、転ぶ寸前で踏み止まり。即座に切り返して首を狙いにかかる。と、腕でガード。
埒が明かないので、一旦距離を取りつつ。川と川の間を走る遊歩道へ視線を向ける。
すると、鬼の群れを鋼同然の桜の花弁で吹っ飛ばしている秋葉がいた。俺は髪を1つに纏め上げ、紺袴と紅の着物に身を包んだ彼女へ念話を飛ばす。
『秋葉。ここは良いから、お前は海希にこのことを伝えろ。加えて四条大橋周辺と先斗町全域に結界貼って、旅館で待機していてくれ。万が一があっては困るからな』
『了解です。後は頼みましたよ』
指示を終えたところで、再度天邪鬼と交戦。
「オラ、そこ退きやがれ!」
途中、秋葉が屋瓦を思いっきり蹴って、その場から離脱。迫りくる5体鬼に向けて刀で斬っていった。
『な、なんか秋葉の性格が変わったぞ』
少し離れたところで、鬼の胴体を素手で貫き、思いっきり血を被ったちゅうじんから念話が飛んでくる。
『あいつの祓式は創作キャラの憑依だからな。キャラの口調が映ってんだよ』
俺は天邪鬼の錫杖をへし折りつつ返答する。錫杖を失った天邪鬼へ向けて、刀を下から上へ振り上げるも、身体を逸らされ回避された。
負けじと天邪鬼の首、両肩、両膝へ向けて5連撃。うち3連撃を交わされるも、天邪鬼の左肩と右膝を貫いた。
「流石は幾度も妨害してくれただけはありますね」
「そりゃどうも……!」
大きく踏み込み、祟核目掛けて突きを入れる。だが、そう簡単にやらせてもらえるはずもなく、天邪鬼は肩を庇いながら身体を横に逸らした。
と、上から十数本の錫杖が降って来る。瞬時に避けるも、錫杖の切っ先が右肩に掠った。血が滲むも、すぐに祓力で止血。
「今度はボクが相手だ!」
選手交代。離れたとこで戦っていたちゅうじんが天邪鬼に向けてビームを放つ。天邪鬼は錫杖を手元に出現させ、手前で回転させて弾こうとするが、貫かれてビームが頬に掠る。
「嘘でしょう⁉」
「そんなへなちょこ武器で防げると思うなよ!」
「これはまた厄介なよそ者ですね……!」
逃げにかかる天邪鬼を再度光線銃で追撃しつつ、ちゅうじんは横から攻撃してくる手下の鬼を、対祟魔用に改良済みのライトセーバーで祓っていく。
その様子を横目で見ながら、寄ってたかってくる手下の鬼たちを回転斬りでねじ伏せる。血でまみれた刀を振り払い、金棒を振り回してきた鬼へ横一線に斬撃をかます。
消滅したのを捉え、次なる鬼を祓うため屋根を走っていたら、薙刀や刀、斧など多種多様の武器を持った鬼たちが正面からジュリアに襲い掛かる。
だが、そんな彼らの攻撃を矛1本で受け止めたジュリアは祓力で足を強化。
足元の瓦を粉砕しつつ、弾き返すと同時に1回転。直後、一瞬のうちに出現した無数の矛に貫かれた鬼たちは纏めて靄となって消滅した。
と、ここでジュリアから念話が入る。
『手下の数が多すぎて、なかなか天邪鬼まで攻撃を仕掛けられないんですが、どうしましょう?』
祓力を纏った拳を屋根に叩きつけて周囲の敵を吹き飛ばすジュリア。
おいおい、あんまり瓦壊すなよ。後が大変なんだから……。
ジュリアの脳筋さに頬を引き攣らせつつ、天邪鬼との戦闘を夜宵に託したちゅうじんと互いの背後の敵を刀とライトセーバーで貫く。
『やっぱり、ここは一気に纏めてぶっ倒すしかないだろ』
『うーさんの言う通り、その方が手っ取り早い』
ちゅうじんの案に屋根から飛んで、細道へ降りた王子が賛同する。
ちゅうじんは光線銃を空高く放り投げ、ライトセーバー片手に金棒を持った鬼と交戦。激しい剣戟を繰り出した末、落ちてきた光線銃でトドメを刺した。
一方、俺は屋根から屋根へ飛び移る。すると、地上に降りた王子が、先斗町通の狭い細道を駆け抜けながら、飛び降りてくる無数の鬼を苦無とアサルトライフルで仕留めていくのが見えた。
『けど、具体的にどうする?』
夜宵が念話越しに投げかけると、一同黙り込んだ。
大勢の鬼を纏めて祓う方法な……。
祓力を纏わせた太刀で鬼の胴体に差して引き抜く。消滅していく鬼を見届け、俺は何かないかと周囲に視線を移す。
すると、夜宵が鴨川沿いの屋根から一気に対岸まで飛ぶのが見えた。直後、後ろから迫って来た天邪鬼が十数本の錫杖を夜宵目掛けて飛ばしてくる。
だが、夜宵は臆することなく、歩道のある河川敷に着地すると、鎌を回転させ、錫杖を弾き飛ばす。錫杖が周囲の地面に落ちる中、天邪鬼も同様に地面に降り立った。
天邪鬼と夜宵の様子を横目で眺めていたら、頭上からひと際大きな鬼が斧を振りかぶって来た。咄嗟に刀身で受け止める。
こいつなかなか強いな……。
そのままずるずると屋根の淵まで押されるが、ギリギリのところで踏ん張る。チラッと後ろを見やれば、凍結した鴨川が視界に入った。
このまま落ちれば間違いなく凍死する。それだけはごめんだ。
窮地に陥った俺は祓力で腕と手を最大限に強化。斧をいなして身体を横にズラすと、巨体を持った鬼は体勢を崩し、すぐ下の凍った禊川へと転落。鬼は表面の氷を割り、浅い川底へ頭をぶつけた。
俺はその隙に、屋根に刺さったままの錫杖に祓力を通し、転落した鬼の祟核へ向けて投げる。と、狙い通りに巨体の鬼へ突き刺さった。俺は消滅をしながらみんなに向けて念話を飛ばす。
『みんな、ちょっと良いか?』
『お、どうした?』
『手下の鬼どもを纏めて一網打尽にする案を思いついた』
俺は話を切り出すと、作戦の内容を念話で伝えるのだった。
