その後はダッシュで帰っただけあって、歩いたときの半分くらいの時間でついた。

「ただいま〜!」

返事は帰ってこない。
私が放った"ただいま"、という言葉が反響して私の耳に届く。

「また今日も帰ってきてないか。メモ、あるかな?」

そう言ってから靴を脱いで、玄関からリビングへ移動することにした。

あ、なぎの話…
夜って言ってたし、8時くらいに連絡すればいっか。
そんなことを考えながら移動した。

リビングの机になにか置いてあった。

お皿...?お母さん帰って来たのかな?

はぁ...。洗い物増えたじゃん...

めんどくさいなぁ、ちゃんと洗ってから行ってよね、などと思いながらお皿の横にあるメモ

"今月の食費。物価高だから1万円に増やしておいたよ。ちゃんとご飯食べてね。"

と、書かれたメモと10000円札が置いてあった。
そして、

"ご飯作っておいたからレンジして食べてね、"とも書かれていた。

なによ。私をひとり置いて長期出張してるくせに。

と、心のなかで思ったのは気のせいということにした。

「はぁ....。とりあえずお風呂沸かすか。」

このときに、まだ電気をつけていないことに気づいたから、電気をつけた。

その後、ご飯を食べた。

レンジをするのを忘れていたから、いくら大好きな焼き鮭でも、おいしいとは思えなかった。

食べ終わった後、アラームが鳴った。