君と見た朝焼けを永遠に残したかった


「今日はどんなポーズをしたらいいかな?立ちポーズ?それとも座ってる方が描きやすい?」

尋ねると、深山くんは絵の具のチューブをカバンに仕舞いながら。少し考え込むように首をひねった。

「……普通にしてくれればいい。固まってると、入江さんらしさがでない。」

「私らしさ、か……。」

海を見つめる。私らしさなんて、自分でもよくわからなくなっていた。
病気のせいで体調を崩し、都会の人間関係にも馴染めなかった自分。
父を安心させたくて「平気なフリ」を繰り返す日常。
本当の私は、いつだって壊れそうな自分を必死に繋ぎ止めているだけだった。

「……深山くんは、私のどこが『私らしい』って思うの?」

思わず溢れ出た問いかけに、深山くんは鉛筆を動かす手を止め、じっと海を見つめた。