私はチラシの紙触りを確かめるように、そっと指先でなぞった。 締め切りは、9月末。あとひと月半ほどしかない。 「深山くん、コンクール……出すの?」 私が覗き込むと、慧は海に視線を向けたまま、静かに、でもしっかりと頷いた。 「……描きたいものが、できたから。」 その言葉が、寄せては返す波音の隙間にすっと染み込んでいく。 胸の奥が、キュッと温かくなるのがわかった。