波音の中に、砂を踏みしめる足音が聞こえた。
膝を抱えて防波堤に座っていた私は、振り向くことなく
「遅いよ、深山くん。」
と声をかける。
慧は返事をせず、そっと歩いてくると、私の数歩隣に座り、そっと自分のカバンを置いた。
夕暮れの海は、毎日少しずつ違う色を見せる。
今日の海は、濃い群青の底から、ゆっくりと橙色の光が滲みでるような深いグラデーションを描いていた。
波は寄せては引き、濡れた砂浜が夕陽を反射して鈍く光っている。
放課後の教室で張りつめていた緊張が、この海辺に立つだけで、すーっと潮風の中に溶けていくのがわかった。
膝を抱えて防波堤に座っていた私は、振り向くことなく
「遅いよ、深山くん。」
と声をかける。
慧は返事をせず、そっと歩いてくると、私の数歩隣に座り、そっと自分のカバンを置いた。
夕暮れの海は、毎日少しずつ違う色を見せる。
今日の海は、濃い群青の底から、ゆっくりと橙色の光が滲みでるような深いグラデーションを描いていた。
波は寄せては引き、濡れた砂浜が夕陽を反射して鈍く光っている。
放課後の教室で張りつめていた緊張が、この海辺に立つだけで、すーっと潮風の中に溶けていくのがわかった。
