深山くんだ。一人黙々とスケッチブックに向かっている。
深山くんは誰も寄せ付けないオーラを纏っているように見えた。
深山くんとは、前にこの海で会ってから話したことがない。
つまり、私が潮風高校に入学してから一度も学校で話したことがない。
というか、深山くんが学校で人と話しているのを見たことがない。
一度クラスの男子が彼のことを話題にしているのを聞いたことがあるが「いつも無口で何を考えているのかわからない。」と言っていた。
ああ、深山くんは私と同じかもしれないな。
そう思うと、自然と足が彼のほうへと向かっていった。
