君と見た朝焼けを永遠に残したかった


夏休みの半ば、僕は学校の職員室へ向かっていた。

ガラガラ。
「失礼しまーす。」

夏休みでも大人には仕事がある。何人かの先生がなんらかの作業をしていた。

机の間を通り抜ける。美術部顧問の村岡先生の机の横で足を止める。

僕は退部届を差し出した。

「先生は、深山さんの絵好きでしたよ。でも、深山さんが決めたことなら、止めません。」

村岡先生は退部届を受け取った。
引き止められなかった。それでいい。それでいいんだ。
静かな職員室を後にする。

解放された。そう思った。涙も出なかった。

どこか虚しかった。誰とも競っていないのに、負けた気がした。

美術部を辞めたあとのみんなの反応?知らない。