君と見た朝焼けを永遠に残したかった


僕の番がやってきた。
僕は紺色メインの抽象画を描いた。伸びやかな線と物体が交差する。
花瓶にも似たような形の物体が紺色で描かれている。
僕はみんなみたいに自分のままでウケる絵は描けない。
だけどウケ狙いの絵は描きたくなかった。嘘のない絵を描こうと思って画面にぶつけた。

「深山くんらしさがよく出てていい絵だと思う。」

新藤がいう。

「もっと万人受けする色遣いがいいと思う。これじゃ賞は狙えない。」

先輩が言う。僕もそう思う、これじゃ賞は狙えない。

「お前の絵、なんか暗いんだわ。なんていうか、うちの部の方向性とちょっと違うっていうか。でもそこが深山らしさだと思う。」

速水が言う。

「深山くんの絵って、なんか暗くて独りよがりだよね。私は好きな絵だけど。審査員ウケはしないと思う。」

先輩が言う。

心臓がぎゅっとした。
悪意のない、だからこそ鋭いみんなの一言が、僕の心を少しずつ削っていく。

みんな厳しいことを言うが、僕らしい絵だと思ってくれてはいる。
僕はこの絵が気に入っていた。
でも学校から出品するには賞を取れるような絵を描かないといけないんじゃないのか?
苦しいけれどこの絵は賞に出せないと思った。

「あの、やっぱり僕。この絵出すのやめておきます。あと一作描くので、それを出品させてください。」