「みなさん、七月には夏の学生展があります。この潮風高校が一つでも賞を多く取れるように、各自励んでください。」
顧問の村田先生が語気を強めて言った。
この頃僕は、暗くてじめっとした雰囲気の静物画ばかり描くようになっていた。
部内でも意見交換を定期的にやっているが、僕の絵は陰鬱で評価が悪い。
この美術部は評価主義だったのだ。コンクールでウケる絵を描かなければならない。
歴代の受賞者の絵を見てみた。
いかにも「青春」という言葉が似合いそうな爽やかな色彩の絵が多い。
僕のような暗い絵は審査員ウケが悪いだろう。
でも、ウケる絵を描かないと。
