講師が一人一人の作品を評価していく。
真ん中ほうに置かれた絵を褒め、端のほうに置かれた絵に厳しい意見をぶつけていく。
喜ぶ生徒もいれば、泣き出す生徒もいる。
自分の番が近づく度に心臓がバクバクする。
気が付けば自分の番になっていた。
厳しい意見をぶつけられた自分は頭が真っ白になり、全員の講評が終わるまでその場で固まってしまった。
「おーい。いつまで固まってるんだ。もう帰るぞ。」
さっき話しかけてきた坊主頭の気さくな男が肩に手をかけ僕の体をゆすってくる。
僕は正気に戻った。
「あ、戻った。お前、名前なんていうの?」
「僕は、深山 慧。君は?」
「俺は三国 新。あらたって呼んでくれていいぜ。」
「あの…三国ってあの潮凪高校のバス停の近くにある三国商店の?」
「そう。あれは俺の父親がやってる商店だ。俺はそこの息子。今後ともよろしくな。」
「そうなんだ。こちらこそよろしく。」
「慧、ここに入ってきた時から顔色悪かったぞ。大丈夫か。」
新は心配そうに言う。
「うーん。大丈夫・・・ではないんだけどさっきよりは具合いいかも。」
「そうか、ならいいんだが。」
「なんかここの雰囲気に圧倒されちゃってさ、僕、ずっと一人で絵描いてきたからさ、デッサンの技法とかもよくわからないし、講評みたいに自分の描いた絵を人と比べられることもなかったからさ。息が詰まりそうだった。」
「まあ、そのうち慣れると思うよ。俺筋トレしないといけないからそろそろ帰るけど、慧は一人で帰れそうか?」
「うん。なんとか一人で帰れそう。新は筋トレ、してるんだ。」
「そう。俺木彫りのでっかい彫刻つくりたいからよ、筋肉必要だと思って筋トレしてるんだ。じゃ、帰るわ。」
と新は走って帰っていった。
そんな新の背中を見送りながら、すごいなあ、目標に向かって真っすぐで。と慧は思った。
少しだけだけれど、今日は人とコミュニケーションとれたなと胸の中で小さくガッツポーズをした。
慧もゆっくり帰ることにした。いつもより風が強く吹いているような気がした。
真ん中ほうに置かれた絵を褒め、端のほうに置かれた絵に厳しい意見をぶつけていく。
喜ぶ生徒もいれば、泣き出す生徒もいる。
自分の番が近づく度に心臓がバクバクする。
気が付けば自分の番になっていた。
厳しい意見をぶつけられた自分は頭が真っ白になり、全員の講評が終わるまでその場で固まってしまった。
「おーい。いつまで固まってるんだ。もう帰るぞ。」
さっき話しかけてきた坊主頭の気さくな男が肩に手をかけ僕の体をゆすってくる。
僕は正気に戻った。
「あ、戻った。お前、名前なんていうの?」
「僕は、深山 慧。君は?」
「俺は三国 新。あらたって呼んでくれていいぜ。」
「あの…三国ってあの潮凪高校のバス停の近くにある三国商店の?」
「そう。あれは俺の父親がやってる商店だ。俺はそこの息子。今後ともよろしくな。」
「そうなんだ。こちらこそよろしく。」
「慧、ここに入ってきた時から顔色悪かったぞ。大丈夫か。」
新は心配そうに言う。
「うーん。大丈夫・・・ではないんだけどさっきよりは具合いいかも。」
「そうか、ならいいんだが。」
「なんかここの雰囲気に圧倒されちゃってさ、僕、ずっと一人で絵描いてきたからさ、デッサンの技法とかもよくわからないし、講評みたいに自分の描いた絵を人と比べられることもなかったからさ。息が詰まりそうだった。」
「まあ、そのうち慣れると思うよ。俺筋トレしないといけないからそろそろ帰るけど、慧は一人で帰れそうか?」
「うん。なんとか一人で帰れそう。新は筋トレ、してるんだ。」
「そう。俺木彫りのでっかい彫刻つくりたいからよ、筋肉必要だと思って筋トレしてるんだ。じゃ、帰るわ。」
と新は走って帰っていった。
そんな新の背中を見送りながら、すごいなあ、目標に向かって真っすぐで。と慧は思った。
少しだけだけれど、今日は人とコミュニケーションとれたなと胸の中で小さくガッツポーズをした。
慧もゆっくり帰ることにした。いつもより風が強く吹いているような気がした。
