君と見た朝焼けを永遠に残したかった



こうして僕は近くの美術予備校へ通うことになった。

カッターで鉛筆を削るところからやった。
今までは鉛筆削りで削ってたからカッターで鉛筆を削るのはコツが掴めるまで難しかった。

基礎的な果物のデッサンから始めた。

最初の講評はボロボロだった。みんなで壁の前に体育座りをして集まる。
各々が描いた絵が壁に並べられる。もうこの時点で心が折れそうになった。

自分より遥かに上手い人がたくさんいる。
真ん中のほうに上手い人たちの絵が並べられており、自分含めあまりうまくない人の絵は端のほうに置かれているようだった。

「お前、ここ来るの初めてか?」

隣の坊主頭の男に声をかけられる。
突然話しかけられて上手く返事ができず黙ってこくこくとうなずく。

「怖いよな。講評。俺も最初そうだったよ。偉そうにいえねえけどさ。お前は油画志望か。俺、潮凪の彫刻コース目指してるんだ。ま、お互い頑張ろうぜ。」

といって背中をポンポンと叩かれた。
なんだこのヘラヘラした男は。と思ったが今は講評に集中しよう。