「明日はね〜、よし,焼肉行こ!」
 こいつ,ほんとに余命1ヶ月?母いわく、こいつは病気による余命1ヶ月の宣告を受けた患者らしい。つまり、食事とかにも気をつけないといけないはずなのだが、、
「食事の規制とかはないのか?」
「ん〜、私が,余命は謳歌したいって言ったからそういうのはないよ〜!てか、そういうのに規制あったら私が病気な事みんなにバレちゃうし」
 親友に迷惑かけられないし、、
 小さな声で言った君は、か弱く震えていた。
「わかった、連絡先は君が追加してくれるんだよね?」
「うん!」
「じゃあ、また明日」
「じゃあね!」
 、、また明日じゃなくて,じゃあねって言ってた。明日が来るかもわかんないのか。
 「ほんとに,僕の無限の命に、君の余命1ヶ月。理不尽すぎるよなぁ」

 家に帰り,余命について考えていた。
 僕が無限の命を持っているとわかったのは小4の秋。母の実験台として診察されてたら、世界に1人、つまり僕しかかかっていない病気だった。いろんな人に検査されたけど原因は不明。
 病名は、無限病。地球が滅亡さえしなければ,永遠に生きてられるらしい。だから、本当に無限の命というわけではない。けど、きっと,僕のクラスメイトたちよりは長く生きるだろう。
 僕も,君も,難しい病気ということに変わりはないのだ。
「本当に,神は理不尽だ、、」
お互い病気なのだ。そう思うと分かり合えるかもな、と考えられるようになった。
 君がなんの病気か、母は教えてくれなかったけど,いつか、君は教えてくれるだろうか。
 でも、親友にも話していない病気について,もっと詳しくいうことはないだろう。正直いって、まだ仲良くなったばかりだし、第一、住む世界がちがう。
 陽キャと隠キャ。一軍と三軍。明確な隔たりはないし、うちのクラスは全体的に仲もいい。でも、なんとなく,空気でわかる。
 この前読んだ,余命とかの切ない系小説を思い出した。あの主人公の女の子は,結局、奇跡的に病気が回復してた。
「まぁ、そんなうまくいくわけないけど。」
考えるのはやめにしよう。
 、、明日何着ていけばいいんだ。一応女子と会うんだぞ。こっちの方が大きな問題な気がするし…
 結局,その日眠りについたのは午前2時だった。
 
 集合時間ぴったりに待ち合わせ場所に行くと,君はまだきていなかった。持ってきた小説を読みながら待つことにする。今読んでいるのは、宗教をめぐる歴史みたいなやつだ。内容は、活字が読めればいい僕からすればどうでも良い。まぁ,面白いけど。
 10分後に,君は待ち合わせ場所に来た。
「、、集合時間何時だっけ、」
「11時半。で,今は11時40分。ごめん。」
「何かあったの?」
「検温がうまくいかなくて、検査に引っかかった。ごめんね」
 ん、き、気まずいぃい
「なんか、ごめん」
「なにが?」
鈍感だけど、鋭い君は気づいてるんだろうなぁ。
「行こっか、てか、病人が焼肉食べてほんとにいいの?」
「うん、今日ちゃんと聞いてきたし☆」
「なら、いいか、」
「レッツラゴォー!」
「発音悪いね」
 え、怖い怖い怖い。その目何?すごい圧を感じる
 「ハツオンイイネ」怯えながら棒読みで僕はいう羽目になった、
まぁ、そんなこんなで楽しく焼肉を食べて、(お金は払うって言ったのに払わせてくれなかった、、)それぞれ解散となった。
病人、それも余命わずかだと気を張るなぁ、

今日、正確に余命30日と申告されたらしい。
君の余命は残り、   30日