〇君と月夜

「ねぇ、電話かけてもいい?」

『忙しい』

毎回断られるLINEを見てため息をつく。

付き合った頃はこんなんじゃなかったのになぁ……

今日は付き合って2年の日なのに
きみはまたそうやってめんどくさそうなLINEを送る。

気分転換に家を出て飲み物を買おうと近くのコンビニに向かう。

コンビニが見えてきた時、君がいた。

──────隣には知らない女の子。

ずっと分かってた、分かってたけど
認めたくなかった。

私はコンビニには寄らず家まで走って帰った。

ベッドの上でLINEを開く。

きみのトーク画面を開き、文字を送信した。

「これで終わりだね 今までありがとう。」

空を見上げるとそこには、
私を嘲笑うような光をまとった月がしつこいくらいに輝いていた。


〇先輩と友達

「今日一緒に帰りませんか?」

昨日、遊びに誘ったら本当に来てくれた先輩。

そんな先輩に頬を赤らめながら、LINEを送った。

返事はNO。

残念だけど帰ろうと教室から出た。

ふと、外を見るとそこには先輩
学校で美女だと騒がれてる友達がいた。

周りでは付き合ったらしいよ!とか俺狙ってたのにな……などの声が聞こえる。

え、付き合った?

友達には先輩の相談をたくさんしてきた。

一番信頼できる友達だった。

そっか、友達の方が可愛いもんね。

一度きり遊んだくらいで期待してこんなに舞い上がってバカみたい。