アサクラさんの駄文

カフェ、神社、遊覧船、蕎麦、美術館、スイーツ
一通り、というか隅から隅まで箱根を味わった気がする


「いやもう夜だね!疲れちゃった」

「昨日徹夜ですもんね」

「流石に運転できないや」

「すると言われたら止めます」

既に、空には星が輝いていた
どこか今から泊まれるだろうか
ここは箱根、旅館には欠かない
が、急にはどこも受け入れてくれなかった
「すみません」

「ご予約がないと…」

「満室で…」

四軒目
「流石にそろそろ」

「今日?今からね、一部屋空いてるよ!恋人さんならそれでいいだろ?」

「恋…」
そうか、僕達は今外から見るとそうなるのか
「ど、どうします」

アサクラさんは手で顔を覆い、天を仰いでいた
「もうそれでいいだろ、恋人、あーうん。おっちゃんそれでお願い」

「はいよ!」

「悪い篠山くん、もう無理。」
正直やっと見つけた一部屋、これがだめなら車中泊しかない
一、二分で部屋に通された
どうやらキャンセルで空いた部屋で、用意はしてあったらしい

「あそうか、アサクラさん僕車で寝ますよ」

「いい、もう気を使うな」

敷かれていた布団に倒れ込むアサクラさん。運転お疲れ様です。

…僕なら気を使われて一人になるよりは、隣りにいてくれたほうが夢見がいいか
今日一日、アサクラさんは相変わらず掴みどころのない飄々とした感じだった
だが僕達は似ている。僕なら、と考えればだいたいあっている。それが今日の成果だった