スマホが鳴った。それで自分が眠っていたことに気付いた。疲れていたのだろう。書類を広げたままだった。
誰だろ、こんな時間に。
目をこすりながらスマホのディスプレイを確認すると、春也からだった。
え? 何? こんな時間に。
時計を見ると一時を回っている。
何か春也の身に起きたのだろうか。心臓がどくりと音を立てた。わたしは慌てて電話を取った。
「あ、やっぱ起きてた。もう一回鳴らして出なかったら、もう寝てるかなーって切ろうと思ってた」
春也の呑気な声が聞こえて脱力した。
「もうっ、び、びっくりしたじゃん、どうしたの!?」
思わず怒ってしまうと、春也は裏返ったような声を出した。
「もしもし、ワタシ春くん。今、あなたの後ろにいるの」
「は?」
何を夜中にふざけているのかとさらに脱力しそうになったところで、春也の笑い声が聞こえた。
「なんてな。うそ、うそ。今ホテルのロビーにいる」
「え。ーーええっ!?」



