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「雪菜、ちょっと話があるんだけどいい?」
学校の教室で窓を開けて風に当たっていた雪菜に声をかける。

風を受けて気持ちよさそうに閉じていた目がゆっくりと開かれた。
長いまつげが揺れて、まるでお人形さんみたいだと感じてドキリとする。

こうして雪菜の顔をマジマジと至近距離で見たのは初めてのことかもしれない。
体格や仕草から男っぽい子だと思っていたけれど、目を閉じた姿はセクシーとも呼べるほど女っぽかった。

「なに?」
「あのさ、合コンの時の二村さんって覚えてる?」
「もちろん、寮まで送ってくれた人でしょう?」

「うん。実は昨日から付き合い始めたんだよね」
「付き合う?」
途端に雪菜の表情が険しくなる。

「うん。合コンした日のうちに告白されて、それで考えてたんだけど付き合ってみることにした。これで昔のことを忘れることもできるかもしれないし」