「よければ僕と付き合わない?」
合コンが終わって外へ出たとき、みんなから少し離れた場所で告白を受けた時、一瞬思考が追いつかなかった。

まさかこの日のうちに告白されるとは思っていなかったし、そこまで大胆な人だとも思っていなかった。

「あの、えっと」
と、返事に困っていると剛志は我に返ったように頭をかいて「いやごめん。急すぎたよな」と笑った。

それから二次会へ行く人と帰る人に分かれて、私と雪菜は寮へ戻ることにした。
他の子たちはひとり暮らしをしているから、いくら帰宅が遅くなっても大丈夫なんだろう。

男の人たちはみんな二次会へ行くのかと思っていたけれど、剛志だけが私と雪菜を寮まで送ってくれることになった。

「いいんですか? みんなカラオケに行っちゃいましたよ?」
さすがに雪菜も気にしている様子で言うが、剛志は「大丈夫大丈夫。僕カラオケは苦手なんだ。歌が下手でね」と、顔の前で手を振って見せた。