他の男性陣はみんな高卒の後輩に当るようで、彼だけ少し居心地が悪そうにしているのは、私と似ているかもしれないと感じた。

「千尋、大丈夫？」
ついぼーっとして二村剛志のことを見つめていた私を、雪菜が心配そうに声をかけてきた。

「うん。大丈夫だよ。雪菜沢山食べてる？」
「食べてるよ。でも白米がほしいよね」
気がつけば雪菜の前には焼き鳥の串が１０本くらい空になって置かれていた。

今日は相手のおごりだと言うし、ここぞとばかりに食べる気でいるみたいだ。
普段でも大食いの雪菜がどれくらい食べるのか楽しみだ。
「ご飯がほしいなら、注文しようか」

今の私達の会話が聞こえていたようで、二村剛志がすぐに店員を呼ぶボタンを押してくれた。
目立たないけれど、気配りができるタイプなのかもしれない。

「ご飯大盛りで」
と、席に来た店員に雪菜が注文するとみんながどっと笑い声を上げる。