私の言葉に雪菜が隣でうんうんと何度も頷いてる。
よく知らない男性と１対１で飲むほどには、心の傷も癒えていない。

彼女はちょっと不服そうな顔をしていたけれど、半分無理やり合コンに参加させてしまった手前承諾してくれたようだ。

男性側が予約してくれた居酒屋は個室もあり、落ち着いた雰囲気の音楽が流れている。
酔っ払って暴れているような客の姿もなく、ひとまず胸をなでおろした。

喧嘩とか、怒鳴り声とかにはつい過剰に反応してしまう。
「それじゃ、自己紹介しようか」

合コンにはつきものの自己紹介が始まったときには飲み物も運ばれてきていて、雪菜と共にノンアルコールで乾杯した。

男性や彼女たちは気にせずアルコールを飲んでいる・
「僕は二村剛志です。よろしく」

男性陣も華やかな雰囲気の人が多い中、二村剛志と名乗った人は落ち着きのある雰囲気だった。
聞けば年齢が私たちよりも少し上の２３歳だということがわかった。