「で、でも私は……」
「相手、社会人だからお金とか出さなくていいから!」

断ろうとしたのを遮って更に言葉を重ねてくる。
特別仲のいい子ではないから、きっと急に女の子の参加者が出席できなくなったとかなんだろう。

ただ食事をするだけならいいけれど、合コンと聞くとどうしても尻込みしてしまう。
「ちょっと、無理に誘うのは良くないよ」
横から話しに割って入ってきたのは雪菜だ。

雪菜は目を吊り上げて彼女を睨みつけている。
「でもさぁ、1度くらい合コンに参加してもよくない?」

彼女からすればどうして青春を謳歌しようとしないのか、疑問なのだろう。
「千尋には千尋のペースがあるんだから」

「そんなこと言ってたらあっという間におばさんになっちゃうんだから」
そう言われてふと自分はいつから恋愛ができるようになるんだろうかと考えた。