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夜しっかり眠っているはずがこの日はなんだか昼間も眠たくて、授業の合間に自分の机に突っ伏してうつらうつらしていた。

そんな私の頭を誰かの手が撫でる。
大きさからして、男の人?
私の髪の毛を指にからませてすいていく感覚に意識が一気に覚醒していく。

ガバッと顔を上げて周囲を見回してみても、誰もいない。
気のせい?
と思って自分の頭に触れてみると髪の流れが変わっている気がする。

それも、突っ伏して眠っていたせいだろうと気にしなかった。

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それから一週間ほど過ぎた日の教室内で、私はまた合コンに誘われていた。
だけど今度は雪菜からではなく、少し派手なクラスメートたちからだった。

「ね、お願い! 可愛い子連れてこいって言われたんだ。だから飯沼さんしかいないと思って!」
茶髪をゆるく巻いて、ピアスとつけた彼女は顔の前で両手を合わせて、拝むようなポーズで私に懇願してくる。