「素敵! 大人になっても枠にはまらずに生きてる人ってカッコイイよね」
雪菜は目をキラキラと輝かせている。
「お母さんは放任主義で、お父さんは……まぁ、普通かな?」
普通のサラリーマンと絵描きという夫婦はあまり見かけなさそうだ。
そんなふたりの間で育った私はどちらかと言えば父親に似た性格かもしれない。
「千尋は画家になろうとは思わなかったの?」
「そこまでは思わないけど、絵の勉強をしたときはあったよ。どんなもんなんだろうなぁって。でも、ちょっとやそっとの努力じゃどうにもならないってことがわかっただけだった」
「それじゃ、どうして看護師になろうと思ったの?」
そこに質問が及んで私はまごついてしまった。
今は雪菜とふたりきりだし、話してもいいかもしれない。
話せばきっと雪菜なら理解してくれるだろう。
私の脳裏に鳴海の姿が浮かんできていた。
私はきっと友人に恵まれているから。
雪菜は目をキラキラと輝かせている。
「お母さんは放任主義で、お父さんは……まぁ、普通かな?」
普通のサラリーマンと絵描きという夫婦はあまり見かけなさそうだ。
そんなふたりの間で育った私はどちらかと言えば父親に似た性格かもしれない。
「千尋は画家になろうとは思わなかったの?」
「そこまでは思わないけど、絵の勉強をしたときはあったよ。どんなもんなんだろうなぁって。でも、ちょっとやそっとの努力じゃどうにもならないってことがわかっただけだった」
「それじゃ、どうして看護師になろうと思ったの?」
そこに質問が及んで私はまごついてしまった。
今は雪菜とふたりきりだし、話してもいいかもしれない。
話せばきっと雪菜なら理解してくれるだろう。
私の脳裏に鳴海の姿が浮かんできていた。
私はきっと友人に恵まれているから。



