10分と待たずに隣人が管理人さんを連れて戻ってきたけれど、その時間はまるで永遠のように長かった。
鍵が開き、「誰かいますか?」と、男性の声。

「ここです! 助けて!」
疲労と安堵感で声がかすれて、自然と涙が滲んだ。

短い廊下を二人分の足音が聞こえて、ガラス戸が開かれる。
私を見た瞬間初老くらいの男性と20代くらいの男性が驚いた様子を見せた。
きっと、初老の男性が管理人さんで若い男性が隣人なのだろう。

「これは……なんでことを……」
愕然として動けずにいる初老の男性を押しのけて、私のロープを解いてくれる。

「警察と救急車を呼んでください!」
男性の声を聞きながら私はそのまま意識を手放したのだった。