「もっちろんだよ!」
きっと怜也とはこのまま音信不通になるだろう。

それでいい。
それが一番いい方法なんだ……。

☆☆☆

「今までお世話になりました」
アルバイトの最終日、シフトを終えた私は大田店長に深く頭を下げた。

外で仕事をしたのはこのファミレスが初めてで、色々なことを教えてもらった。
ここでの経験が学校での人間関係にも役立っていると思っている。

「辞めるのは寂しいけど、専門学校へ行くんだったよな? 勉強頑張れよ」
大田店長には怜也のことは伝えていない。
最後の最後まで心配かけてはいけないと思ったからだった。

辞める理由は勉強に専念するためと伝えておいた。
学生にはよくある理由なので、大田店長が止めることはなかった。

「はい。がんばります」
私はもう1度お辞儀をして従業員用で入り口から外へ出た。
外はすっかり暗くなっていて、もう少しで月明りが周囲を照らす頃だ。