なによりも怜也は気配りできるタイプで、ベンチに座って休憩していたらジュースやソフトクリームを買ってきてくれたりした。

「あ~あ、もう1日が終わっちゃった」
遊園地を十分に満喫して外へ出たとき、空はオレンジ色になりはじめた頃だった。

車で1時間ほどで帰れるからもう少し遊んでいたかったのだけれど、怜也に「ご両親が心配するよ」と言われて帰ることになったのだ。

まだ帰りたくない女性を家まで送り届ける紳士的な態度もまたしても私の心臓はやられてしまった。

「今日は楽しかったね。また一緒に来ようか」
「え、いいんですか?」

チケットがあったから誘ってくれたはずなのでそう聞くと、怜也は運転しながら私の左手を握りしめてきた。

突然の出来事に固まってしまう。
「千尋ちゃんは、俺のことどう思う?」

「ど、どうって……かっこよくて、魅力的だと思います」