なんといってもロープで人を拘束するやり方は同じだ。
「そうかもしれないです」

確信はない。
でも雪菜が怜也だとすれば、私が自然と雪菜の元へ入り込むように誘導されたのも納得がいく。

すべて最初から仕組まれていたことだから。
「とにかくこのまま雪菜って子のところへ帰すわけにはいかないな。寮も危ないだろ?」

「はい。寮に戻ったとしても雪菜が戻ってくれば同じことです」
「それなら実家に帰るか」

そう聞かれても直ぐに返事はできなかった。
雪菜は平気で実家へやってくるだろう。

合鍵を持っているから侵入することだってできる。
「ご両親に全部説明して、玄関の鍵を付け替えるまで一緒に行動してもらえばいい」

「そう……ですね」
もう、それしか方法が見つけられない。

学校も辞めて実家にこもるのだ。
その間に雪菜のことを警察へ相談して、対応してもらう。
それが一番な気がした。