「職業訓練校に入学したのは?」
「あぁ。それも千尋が入学するって決めたからだよ」

やっぱり、そうだったんだ。
なにもかも私が知るずーっと前から計画されていたことだったんだ。
「ねぇ、どうして私なのか教えて? 私なにかしたの?」

どうして自分ばかりがこんな目に遭うのか。
こんな理不尽な愛情ばかりを注がれなければならないのか。
ずっと疑問だった。

「そんなの決まってるでしょう?」
雪菜が楽しそうに顔を歪ませる。
「千尋はね、ウチらみたいな人間から見たらとてもキラキラと輝いていて、特別だったの」

複数形で言ったということは、怜也や剛志のことを言っているのだろう。
「そんなんじゃ納得できない! もっと具体的に教えて!」

私は身を捩って叫ぶ。
できればこの声が隣人に聞こえたらいいと思うけれど、怜也のときのような薄い壁ではないことは、暮らしていてすでにわかっていた。