年齢だってしかりだ。
見た目や年収のことを言っている人たちはきっとまだ真実の愛にたどり着いていないだけ。

彼女がウチの前を通り過ぎていく間に、それだけのことを考えた。
永遠にも思える、長い長い時間だった。

「おまたせ」
祖母がトイレから出てきて我に返ったウチは「おばあちゃん疲れたでしょう? メイド喫茶に入ってみない?」と、提案したのだった。

☆☆☆

メイド姿の彼女の名前は飯沼千尋。
今2年生で、仲のいい友達の名前は鳴海ちゃん。

1日で得られた情報はたったそれだけ。
メイド喫茶に入るとメイドさんが胸に手作りのネームをつけていて、彼女が『チヒロ』という名前だとわかった。

それから『チヒロ』と仲が良さそうな『鳴海』ちゃんに声をかけて、フルネームと漢字を知った。
メイド喫茶では飲み物とカップケーキを食べて、ついでにメイドさんとのチェキ撮影もあった。