きっとこんな風な状態で高校生活は終わりを迎えるんだろうと思っていたが……。
《こんにちは、怜也です》
そのメッセージが来たのは翌日が休みの、バイト終わりのことだった。
あの出来事以来怜也はバイト先に現れておらず、気にしていたところだった。
自室でそのメッセージに気がついた私はスマホを両手に握りしめてその場で飛び上がってしまった。
こちらから連絡しようと何度も思ったが、結局できず終いだったし。
《千尋です。この前は送ってくださってありがとうございました》
緊張からどうしても堅苦しい文章になってしまう。
これだけ打ち込むにも指先が震えていつもの倍の時間が必要になった。
《気にしなくていいよ。ところで、明日学校やバイトはあるの?》
「嘘でしょ、まさかデートの誘い?」
勝手に盛り上がってしまう自分の気持を鎮めようとしたけれど無理だった。



