写真から目を逸らせて今度は両足を動かしてみようとしたけれど、これは左右それぞれが私の座っている椅子の足にロープで固定されているため動かない。

ここで目が覚めてから何度も体を動かしてみたけれど、よほど頑丈に結ばれているようで自分の皮膚がすり減って痛みが増すばかりだ。
汗と涙と鼻水で見るに堪えない顔になっているはずの私の顔を、彼氏が覗き込んできた。

その顔は恍惚としており、嬉しそうに口角が上がっている。
お願い、助けて!

そう言おうとしても口の中でむーむーとうなるばかりだ。
そんな私を見て彼氏は更に嬉しそうな顔になる。

彼がこんなことをする人だとわかっていれば、絶対に付き合ったりしなかった。
自分の見る目のなさに愕然として、絶望的な気分になる。
部屋の奥からからブーンと換気扇が回っているかすかな音が聞こえてきて、彼が今つけたのだということがわかった。