「そ、そうだね、次は楽しい映画にしようかな」
「いいね、ウチのオススメでもいい?」
「も、もちろん」
ぎこちなくならないようにしようとすればするほど嘘くさくなってしまう。
けれど雪菜は気にする様子もなく、テレビ画面で映画を選び始めた。
もちろんこの後見た映画の内容なんてほとんど頭に入ってこなかった。
雪菜が笑ったタイミングで同じように笑い、それ以外のときは黙って画面に視線を向けていただけだ。
考えることはただひとつ。
どうやってここから出るかだった。
今なら簡単に外出することができるから、そのまま実家や寮へ帰ってしまおうか。
でもきっと、雪菜はまだ私のことを心配して外出するときもに付いてこようとするだろう。
私もそっちのほうが安心できるからと承諾していたのに、急に拒絶してしまうと怪しまれるかもしれない。
ずっと考え込んでいる間に映画は終わってしまっていた。
「千尋、コーヒー冷めてるよ?」
「いいね、ウチのオススメでもいい?」
「も、もちろん」
ぎこちなくならないようにしようとすればするほど嘘くさくなってしまう。
けれど雪菜は気にする様子もなく、テレビ画面で映画を選び始めた。
もちろんこの後見た映画の内容なんてほとんど頭に入ってこなかった。
雪菜が笑ったタイミングで同じように笑い、それ以外のときは黙って画面に視線を向けていただけだ。
考えることはただひとつ。
どうやってここから出るかだった。
今なら簡単に外出することができるから、そのまま実家や寮へ帰ってしまおうか。
でもきっと、雪菜はまだ私のことを心配して外出するときもに付いてこようとするだろう。
私もそっちのほうが安心できるからと承諾していたのに、急に拒絶してしまうと怪しまれるかもしれない。
ずっと考え込んでいる間に映画は終わってしまっていた。
「千尋、コーヒー冷めてるよ?」



