私は巧妙に仕掛けられた罠にはまって、ここまで自分で来てしまったのかもしれない。

だけどまだそんな気持ちを否定したい自分もいて、写真をスクロールして確認してく作業をやめることができなかった。

ついに日付は入学前のものになった。
さすがにもう終わりだろうと思ったが、甘かった。

次に出てきた写真は私が実家の窓から外の景色を眺めているものだったのだ。
恐怖でヒュッと喉が鳴った。

スマホを持つ手がガタガタと震えて、落とさないでいることが不思議なくらいだ。
これ以上は見ちゃいけない。
見れば本当にここにはいられなくなる。

そう思うのだけれど、止めることができない。
雪菜はいつから、どこから私のことを知っているのかわからなければ、安心もできない。

日付はどんどんさかのぼっていき、私が頻繁に病院に出入りしている様子に変わっていった。

怜也の監禁事件の後、通院していたときのものだ。