手のひらよりも指先の方が長くてキレイだ。
そう思っていると掴んでいた手で手を握り込まれてしまった。
私の握り拳なんて雪菜の手の中にすっぽりと包み込まれてしまう。
本当に安心感のある、まるで男の子みたいな手。
雪菜が男の子だったらよかったのにな。
「こんなことしてちゃいつまで経ってもカレーができないね」
私は雪菜から手を離してキッチンへと向き直ったのだった。
☆☆☆
出来上がったカレー鍋に雪菜は小さじ一杯ほどのインスタントコーヒーを入れた。
「あ、それ私の家でもやってる! 隠し味なんだよね?」
自分でやったことはなかったけれど、お母さんがよくやっている技だった。
コクが増すとかなんとか言っていたっけ。
「そうなんだ? 結構やってる家多いみたいだよ」
雪菜は最後に味見をして納得したように「うん」と、頷いている。
朝からカレーなんて、ちょっと贅沢な気分だった。
「今日の予定は?」
そう思っていると掴んでいた手で手を握り込まれてしまった。
私の握り拳なんて雪菜の手の中にすっぽりと包み込まれてしまう。
本当に安心感のある、まるで男の子みたいな手。
雪菜が男の子だったらよかったのにな。
「こんなことしてちゃいつまで経ってもカレーができないね」
私は雪菜から手を離してキッチンへと向き直ったのだった。
☆☆☆
出来上がったカレー鍋に雪菜は小さじ一杯ほどのインスタントコーヒーを入れた。
「あ、それ私の家でもやってる! 隠し味なんだよね?」
自分でやったことはなかったけれど、お母さんがよくやっている技だった。
コクが増すとかなんとか言っていたっけ。
「そうなんだ? 結構やってる家多いみたいだよ」
雪菜は最後に味見をして納得したように「うん」と、頷いている。
朝からカレーなんて、ちょっと贅沢な気分だった。
「今日の予定は?」



