剛志が捕まったという連絡がないまま、私達は日常へと戻っていた。
外へ出るときはどんな些細な用事でも必ず雪菜と行動することと決めて、私達は四六時中一緒にいるようになった。

「今日はオムライスでも作ろうか」
雪菜が夕飯を作るためにキッチンへ立ったので、私は急いでその後を追いかけた。
金銭的な面では全般的にお世話になっているから、家のことはできるだけ自分がやりたかった。

「それなら私が作るから、雪菜は休憩してて?」
「今日は学校が休みだったから疲れてないけど?」
「そうじゃなくて。もういいから、休んでてってば」

雪菜を無理やりリビングのソファに座らせて自分は冷蔵庫からベーコンを取り出した。
冷凍庫を開けると冷凍のグリーンピースもあったから、それも使うことにする。
にんじんと玉ねぎをみじん切りにしてフライパンに油を引いた。

「なんか、もういい匂いがしてる」