翌日には噂は鳴りを潜めて、彼女が私に近づいてくることもなくなった。
まるで鶴の一声だと、雪菜と一緒に喜んだ。

「今日はお菓子を買ってから帰ろうか」
学校帰りの道の途中で、雪菜がそう提案してきた。

「いいね。新商品が出てるんだっけ」
今日は火曜日だからコンビニへ行けばお菓子やスイーツの新作が並んでいるはずだ。
こうして学校帰りにどこかへ立ち寄ることも避けていたから、なんだかとてもワクワクしている。

「いらっしゃいませぇ!」
コンビニに入ると女性店員の元気な声が聞こえてきて自然と笑顔で会釈する。

最近は雪菜とばかり一緒にいるから、他人と接することが恋しくなっていたのかもしれない。
雪菜が持っている買い物かごへ新商品のお菓子をどんどん入れていく。

とてもふたりでは食べ切れない量だけれど、あれもこれも興味があってどれも美味しそうに見えた。