「はぁ? ちょっと質問するくらいいいじゃん。なにムキになってんの? あ、もしかしてさっきの話本当だったりする?」

チラリと視線がこちらへ向かう。
心臓が早鐘を打って、視線を返すことができなくなった。
気持ちが悪い……。

ふらりと席を立って歩き出す。
どこか、ここじゃない場所へ移動したい。
ふらふらと教室の出口へ向かっていると、沢山のクラスメートたちにぶつかってしまって文句が飛んでくる。

それに反応することもできずに廊下へと出た。
「千尋!」

追いかけてきてくれたのは雪菜だ。
雪菜が倒れそうになる体を支えてくれる。

「保健室へ行こう」
私はそれに頷くこともできずに、ただ引きずられるようにして歩くだけだった。

☆☆☆

白いベッドで横になってしばらくすると気持ち悪さは薄らいできた。
だけど教室へ戻る気にはなれない。
「どうしてあのことを知ってたんだろう」