ギュッと奥歯を噛み締めて我慢していると、突き刺さっていたガラスがスルリと抜ける感覚がした。

想像よりも浅かったのか、それとも雪菜が上手だったのか、抜くときの痛みはあまり感じなかった。

「結構出血してる」
足裏に布を押し当てて止血している間に、痛み止めを出してくれた。

座った状態だと血が止まりにくいから、ソファに横になって肘置きに足を置かせてもらうと随分楽になった。

「血が止まれば大丈夫だと思うけど、もし止まらないようならちゃんと病院へ行こう」
「うん。わかった」

素直に頷いたとき、疲れがどっと押し寄せてきたようで私はそのまま眠りに落ちて行ったのだった。

☆☆☆

目を覚ました時には、ソファで眠っていたのに関わらず随分とスッキリした気分になっていた。
ここには怜也も剛志もいないとわかっていたからだろうか。

上半身を起こして足裏を確認してみると、出血は止まっているみたいだ。