「一緒に就職しようって誘ってやったのに拒絶するから、実家の離れに3日間監禁してやった」
「う……そ……」
「本当だよ。どいつもこいつも、僕の言うことをきかないのが悪いんだ」
剛志の顔と怜也の顔がダブって見えた。
やっていたことの内容は違うことを言っているけれど、嘘かもしれない。
いや、怜也ならもっと昔にそういうことをしていた可能性がある。
「離して!!」
叫ぶと同時に身をよじり、どうにか剛志の下から這い出した。
そのままキッチンへ走って椅子を掴む。
剛志は玄関から外へ出ると思ったのだろう、余裕の表情で近づいてきた。
「外には出れないよ。僕がカギを持っているからね」
南京錠の鍵をポケットから取り出して見せてくる。
だけど玄関から出られないことはもうわかっていた。
私は両手で椅子を頭上へと持ち上げて、剛志へ向けて駆け出した。
剛志は驚いた表情で横へと避ける。



