それは怜也と通じるものがあるような気がした……。

☆☆☆

「今日は寮に泊まる？」
体調が回復して大田店長と別れてから、雪菜が気にかけてくれた。

「うん……でも、荷物があるから、アパートへ戻らないと」
着替えなどは後からどうにでもなるとしても、教科書がないのは困る。
１度剛志の部屋へ戻って、それらを持って寮へ戻るしかない。

「わかった。なにかあったらすぐに連絡してね」
それから１時間ほどして私は荷造りを始めていた。

アパートへ戻ってすぐに準備しようと思ったのだけれど、再び貧血のようになって横になっていたのだ。

横になって色々考えているとこの部屋を出てしまうのが悲しいような気もしてきた。
だけどもうとやかく言っている場合ではない。

刑務所にいると思っていた怜也は外にいて、しかも顔を変えているのだ。
もう誰のことも信用できなかった。