「え……」
今度は愕然として言葉が続かなかった。
大きく目を見開き、大田店長の次の言葉を待つ。

「飯沼さんは療養中だったようだから、きっと周りが情報を隠したんだな。噂では逃げた後さっさと整形したって話だ」

整形……。
それじゃ怜也と出会っても気がつくことができないということだ。

全身からさーっと血の気が引いていき、貧血のような状態になってその場にうずくまってしまう。
怜也から受けた数々の暴力、首筋に押し当てられてナイフ、眠れないだるさ。

それらが一気に蘇ってくる。
「千尋、大丈夫！？」

雪菜が同じようにしゃがみこんで聞いてくるが、しばらく動けそうにもない。
「ごめん。余計なことを言ってしまったな」
「……いいえ。知れてよかったです」

怜也は整形してどうするつもりだろう。
ただ逃げたいだけなのか、それとも？
ふと、剛志の嫉妬深い性格のことを思い出した。