そう思って見ていると、記憶の奥底から当時バイトをしていたファミレスの映像が蘇ってきた。

相手が大田店長だと気がついたとき、その人は近くまで来ていた。
「もしかして飯沼さんか!?」

「はい。お久しぶりです大田店長」
お辞儀をすると大田店長の顔がパッと笑顔になる。
懐かしい人に出会った時の喜びが全身から溢れ出しているのがわかった。

「太田店長はどうしてここに?」
「実はこの土地に次のお店をオープンする話が出ててね。下見に駆り出されたんだ」

「そうなんですね! その時は太田店長もこっちへ来るんですか?」
「まだわからないよ。ただ近隣の店舗がないから連れてこられたってだけだからね」

「そうなんですね」
ふたりで会話を続けていると、雪菜に腕をつつかれた。
そういえば雪菜は大田店長のことを知らないんだった。