その様子を見て安堵感が広がっていく。
昨日の剛志は少し怒り過ぎただけなんだろう。

こうして朝早くに起きて朝食を作ってくれているし、きっと反省もしてくれている。
私はすぐに手を洗って剛志の横に立った。

「私こそごめん。でも別にあの店員と仲良くなったわけじゃないから」
「わかってる。久しぶりにできた彼女だから、僕が神経質になってたんだ」

剛志の隣でトマトを切ってサラダを作る。
並んで料理をするこの時間がすごく幸せだと感じる。

剛志がコンソメスープを作ってくれたので、レタスとトマトの上に粉チーズを乗せて、トーストはこんがり焼いた。

おいしそうな香りが部屋の中に立ち込めている。
私達は向かい合って座り、「いただきます」と手を合わせてから食事をする。

まるで新婚さんみたいだと、同棲開始当時のように思って笑う。
「スープの味はどう？」
そう聞かれて私はスプーンを手にスープを一口飲んだ。