そして買い物袋の中を見せて「ね、買いすぎでしょう？」と、笑ってみせた。
だけど剛志は無表情で「それ、あの男から買ったんだろ？」と聞いてきたのだ。

「え？」
あの男って誰だろうと思いを巡らせてみても、コンビニの店員しか思い出せない。
これを購入したのだから、きっとその人のことを言っているんだろう。

「男って……確かに店員さんは男の人だったけど。剛志見てたの？」
「ヘラヘラ笑って、仲良さそうにしてたよな！？」

突然怒鳴られてビクリと体を震わせる。
剛志は顔を真赤にして目を吊り上げている。
「そ、そんなことないよ。ただ、世間話してただけ。あの人学校帰りにバイトしてるみたいで、よく顔を合わせるから」

慌てて言い訳してみたものの、それは日に油を注ぐ結果となってしまった
「千尋はあの男のシフトを把握してるのか！？　そうやって会う約束をしてたんだな！」

逆上した剛志が掴みかかってくる。