入って最初に目に入るのは広いダイニングだ。
キッチンも広くて、中央にはダイニングテーブルが置かれている。

キッチンスペースの逆側にバストイレがあるが、怜也の部屋に比べても随分広いことがわかる。

それだけでも呼吸がしやすくてホッと息を吐き出した。
「これからよろしくね」
後から入ってきた剛志がボストンバッグを床に置いて後から抱きしめてきた。

ギュッと抱きしめられると深い愛情を感じて胸が暖かくなる。
「うん。よろしくね」
照れくさくなる挨拶を交わして私たちの同棲生活はスタートした。

同棲生活の最初の一つ期間は、まるでおままごとをしているようで楽しかった。
家事も一緒に過ごす時間もなにもかもが新鮮だった。

剛志は朝7時に家を出て、夜7時には帰宅する規則正しい生活を送っているから、私も自然とそのペースになってきた。
朝寝坊して慌てて飛び起きるということもなくなった。